遭 遇

ぎゃー。


あの涙の日々から1年と数ヶ月・・・とうとうこの日が来ました・・・。
遭遇しちゃいました・・・前の男の人に。


朝ですね、うちにパンがなかったので早めに出て途中でお気に入りのパン屋さんに寄って焼きたてのやつをかって出社して食べよう〜なんて思って駅に向かったわけですよ。そしたら・・・ホームに見慣れたシルエットの男性がいました・・・_| ̄|○


これまで似た人を見ては「ああ、人違いだった・・・」とドキドキするということは何度もありましたが、今回は正真正銘本物です。ああ、どうしよう・・・。心臓がバクバクして手が震えます。とりあえず電車が来たので乗り込みました。同じ車両です・・・_| ̄|○


思えば今まで遭遇しなかったことが不思議なくらいに同じ生活圏内で暮らしているんですけどね。同じ沿線の、私の最寄り駅をA駅とすると彼はそこでバイトしていてその数駅先のB駅が私の新しいオフィスの駅、彼の自宅はその隣のC駅なんです・・・。生活時間帯が違うので今までかろうじて遭わなかっただけなんだなぁ(彼は夜中にバイトしている人です)。私の通勤電車がちょっと遅くなったので、彼のバイト上がり時間にあたってしまったみたい。ということは相変わらず同じバイトで同じような暮らしをしているんですね・・・てっきり引っ越したと思ってたしバイトも変えたと思ってました。


降りるちょっと前に、思い切って声をかけました。彼は窓際に立って、瞑想しながらブツブツと独り言を言っていました(頭の中で仕事のネタを考えていたのだと思われ。いつものことです)。トントンと腕を叩くとめちゃめちゃ驚かれました。前よりも痩せて顔色は相変わらず悪かった・・・。栄養失調を絵に描いたような顔をしています。変わってなくてホッとしました。


先日彼の誕生日だったので、おめでとうと言いました。


終始笑顔で通したけど、私が先に電車から降りてあっちから私の姿が見えなくなるぐらいのところまで来た時、ボロボロと涙が出てしまいました。会社の人に会うと嫌だったので必死で我慢しながらパン屋さんへ行き、ツナポテトのパンを買って出勤しました。やっぱり焼きたてのパンは温かくってめちゃめちゃ美味しくて、それでまた涙が出ました。


会社にまだ誰もいなくてよかった。「のたれ死んでればいいのに」と思っていたけどのたれ死んでなくて生きててよかった。でも、相変わらず死相が出てて幸せそうじゃなくってそれもよかった。